業績堅調な米国放送業界 「ATSC3.0」国際展開に期待
ゴードン・スミスNAB会長に聞く
ネットとの連携が本格化 自動運転はTV視聴市場を拡大
 [2018年5月14日]


 スミス会長は、NABショー会場であるラスベガス・コンベンションセンター(LVCC)のノースホールを見下ろす一室でインタビューに応じた。開口一番、今年のNABショーについて「人数は、前年実績に達しないかもしれない。しかし、ショーの質は明らかに上回っている」と述べ、展示やコンファレンスで有益な情報を来場者や業界に伝えられていることを強調した。
 近年、スミス会長はNABショー初日の基調講演(詳細7面)において「ブロードバンドを活用せよ」と発言し、放送事業者がインターネットを利用することを説いている。今年は「ブロードバンドや他の技術と融合する」との表現で、「ATSC3.0を通じて事業者が広く目を向けることを勧めた」と基調講演の意図を述べた。
 基調講演は、業界へのメッセージよりも政府から勝ち取った成果報告の色合いが濃かった。この点については「米国の放送業界は、2016年の大統領選挙で大量の広告資金が流入した。その後の好景気に支えられ、状況は良い」と述べ、放送事業者に一時的でも危機感が薄い状態が起きていることを説明した。
 次世代地上波方式であるATSC3.0については、各放送事業者の判断での移行を可能としたことを成果とした。「各地域の事情がある。その地域の経済状況、機器の販売価格など、地域ごとに勘案すべきことは多い」と、画一的な移行は需要に合致しないとの見方を示した。
 「ATSC3.0は、米国の国家方式になった。機器メーカーは安心して開発できるはずだ。この方式が自動車業界や欧州や日本で採用されると信じている」と、同方式の国際展開を望んだ。移行については「現在は各放送事業者が評価する段階だ。移行には10年程度の時間が必要だろう。移行期間は、サイマル放送をすることになる」との将来像を描いた。

(つづき・詳細は映像新聞 2018年5月14日号1面)


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