2021年8月9日

アナログ放送終了10年
激変したメディア視聴環境
テレビ局は進化を模索 同時配信のビジネス化が焦点
若者を呼び戻せるかに注目

7月24日、アナログテレビ放送終了(2011年7月24日/岩手、宮城、福島の3県を除く)10年を迎えた。地上デジタル放送への移行を前提にしたアナログ放送終了は、1953年の本放送開始以来、放送業界最大のプロジェクトと言えるだろう。そしてこの10年、テレビ局は1社も欠けることなく、歩みを進めてきた。しかし、その足元はこれまでのような盤石なものではなくなりつつある。アナログ放送終了後10年、テレビ放送を取り巻く状況の変化とテレビ局の進化を考えてみる。〈続きは本紙で〉

2021年8月9日号 主な記事

 ●第2試写室をDTS:Xに対応/IMAGICAエンタテインメントメディアサービス
 ●SIGGRAPH2021開催/充実した講演セッション
 ●Goolight/長野県小布施町で地域BWAサービス開始
 ●朋栄が瀬戸内海放送の設備構築ファイルベース移行サポート
 ●TOKYO2020 未来のスポーツ観戦プロジェクト/競技の様子をホログラフィックで表示

放送

● アナログ放送終了10年 激変したメディア視聴環境
● 東京五輪のライブ映像 HDRと立体音響で/米NBCスポーツ

CATV/CS

● 地域BWAサービス開始 長野県小布施町全域に提供/CATV事業者のGoolight
● ジェイコム少額短期保険 「保険選びサイト」に掲載 代理店委託契約を結ぶ

プロダクション

● 第2試写室をDTS:Xに対応/IMAGICAエンタテインメントメディアサービス

デジタル映像

● SIGGRAPH2021 充実した講演セッション 昨年に続いてのオンライン開催
● 競技の様子をホログラフィック表示 NTTが超高臨場感通信技術を提供/TOKYO2020 未来のスポーツ観戦プロジェクト

インターネット/通信

● 「バーチャル高校野球」でマルチアングル映像を配信/朝日新聞、ABC

プロ機器

● 中継現場などの音声連絡ツールに 専用帯域を確保/テレネットの緊急災害用無線
● 「震災対策技術展」に出展 自動アナウンスシステムなど/クロスイメージング
● 瀬戸内海放送の設備を構築 ファイルベース移行をサポート/朋栄がウェビナーで解説
● ショールームを都内に開設 取扱製品の検証が可能/アスク
● ライブプロダクションカメラ 小型のオールインワン製品/ブラックマジックデザインが発表

ディスプレー/大型映像

● 「クロス新宿ビジョン」の3D猫/オムニバス・ジャパンが制作
● エンターテインメント施設 大型LEDビジョンが稼働/福岡ソフトバンクホークス
● 佐賀県武雄市が「光のイベント」 武雄神社で期間限定の演出
● 五輪競技の臨場感映像を実証 全天周ドームで公開上映 光回線で科学未来館へライブ配信

映画/番組/CM

● 映画「オキナワ サントス」 沖縄からブラジルへ渡った人々の証言 日系移民強制退去事件の真実

統計・調査

● 21年6月 薄型テレビの国内出荷数量 4K対応は32.9万台/JEITA

イベント一覧

● バラエティー番組の制作 「サスケ」の事例から学ぶ/VIPOがオンラインセミナー

映像産業振興機構(VIPO)は、「テレビバラエティ番組制作セミナー~人気クリエイターが語る!世界のテレビ局がつくる日本発大ヒットテレビ番組~」を、日本脚本アーカイブズ推進コンソーシアムとの共催で、8月27日にオンライン(Zoom使用)で開く。
1997年に第1回を放送した国産バラエティー番組『SASUKE(サスケ)』は、企画や運用ノウハウを海外へ販売し成功している点で注目されている。同番組は早くから海外展開を開始し、日本のバラエティー番組として最多となる世界165の国と地域で放送されるコンテンツである。
日本で制作されたテレビ番組の中で、なぜこれほどまでに突き抜けた成功を収めたのか。『SASUKE』をケース・スタディーとして日本のコンテンツ制作への提言と海外展開の成功パターンを学ぶ。
講師は、演出家/放送作家の乾雅人氏、TBSアクト 美術プロデューサーの小美野淳一氏、モデレーターは、日本放送作家協会理事長のさらだたまこ氏。
主なプログラム内容は、①バラエティー番組の企画・制作とは、②『SASUKE』が生まれてからこれまでの道のり、③海外のテレビ局が『SASUKE』を製作。企画の販売から契約まで。海外制作秘話、④海外で番組をつくりたい日本のクリエイターたちへ。
【日時】8月27日/18-20時
【参加費】一般1500円/VIPO会員1000円/学生1000円
【申し込み締め切り】8月24日15時まで
【申し込み】www.vipo.or.jp/news/27747


● CATV事業者向けオンラインEXPO/FNETS 開催期間を延長

富士通ネットワークソリューションズ(FNETS)は、CATV事業者向けに6月1日から開催している「FNETS Online EXPO」の期間を9月15日まで延長する。
ここでは、『加入者ニーズをつかむニューノーマル時代の事業変革』をテーマに、「地域デジタル変革を支えるソリューション」、「ローカル5G導入を支えるシステム&サービス」、「ニューノーマル時代の顧客接点変革ソリューション」について提案している。
また、「ケーブル技術ショー2021」における技術セミナー『「ケーブルテレビ通信インフラの次の一手」~地域DXを支えるローカル5Gの取組みと活用事例~』(2部構成)の動画も公開している。
なお、同サイトのアンケート(5問1分程度)に回答すると、もれなくAmazonギフト券(1000円相当)が進呈される。
9月上旬には、詳細についての要望が多かったコンテンツのオンラインセミナーを予定している。
【「FNETS Online EXPO」ウェブサイト】fnets.oatnd.com/online-expo


● 国立映画アーカイブ「生誕120年 円谷英二展」

『特撮の父』円谷英二(本名:英一)は今年7月に生誕120年を迎えた。日本初の特技監督として東宝撮影所などから数々の戦争映画・怪獣映画・SF映画を送り出し、1963年には円谷特技プロダクション(現・円谷プロダクション)を興してテレビ特撮の礎を築き、後進の育成にも努めた。
今回、生まれ故郷である須賀川市(福島県)との共催で展覧会を実現。英国で新たに発掘された円谷撮影の初期作品『かぐや姫』(1935年)も含めて、若き日の功績にも注目しながら、その生涯に迫る。
【会期】8月17日-11月23日/11時-18時30分(入室は18時まで)、毎月末金曜日は11時-20時(入室は19時30分まで)/休室日=月曜日、9月7-10日、9月26日-10月3日、10月12-15日
【会場】国立映画アーカイブ 7階展示室(東京都中央区京橋3-7-6)
【観覧料】一般250円、大学生130円ほか


● SIGGRAPH2021報告会 8月19日にオンラインで開く/DCAJビジネスセミナー

デジタルコンテンツ協会(DCAJ)はビジネスセミナーとして、CGとインタラクティブ技術の国際会議「SIGGRAPH2021」(8月9-13日/バーチャル開催)の報告会を8月19日にオンライン(Zoom使用)で開く。
今年は、いわゆる「CG」の枠を越え、SIGGRAPHが扱う幅広いテーマの論客が集まる。カリフォルニア大学のHany Farid教授は『ディープ・フェークとの闘い』について講演。動物と人間の暮らしから、ロボットと暮らす時代を予見するのは、MITメディアラボのKate Darling博士。CGについては、チューリング賞ペアであるEd Catmull博士とPat Hanrahan教授(スタンフォード大学)から『チューリング賞の彼方へ!』と題する講演がある。
論文発表、コース(講習会)、エマージング・テクノロジーズ(Eテック)などの注目コーナーへの期待も高まっている(本号5面参照)。
報告会の講師は、映像新聞論説委員で日本大学講師の杉沼浩司(SIGGRAPHに38回にわたり連続参加)が務める。
【日時】8月19日/15時-16時40分
【参加費】一般7000円、DCAJ法人会員は無料
【定員】50人
【申し込み】 www.dcaj.or.jp/news/2021/08/dcajsiggraph2021.html

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