2024年9月9日

総務省「小規模中継局等BB代替作業チーム」
第3次取りまとめ案
IPユニキャスト 放送代替に適合
制度整備へ前進 住民理解の作業は放送局に一任

 総務省「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」の「小規模中継局等のブロードバンド等の代替に関する作業チーム」(以下、作業チーム)第23回が4日に開かれ、「第3次取りまとめ案」が提示された。同取りまとめ案では、IPユニキャスト方式での放送コンテンツ配信は放送の代替手段になり得ると結論付け、制度整備へ前進した。一方で、住民理解という最大の問題については、放送事業者に対応を任せる内容となり、導入の可能性がいまひとつ見えない取りまとめ案となった。作業チームは今回で終了し、今後は制度化に向けた作業が進められる。
(続きは本紙でレポート)

━ 今週号(9月9日号)の見どころ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

メディア150年の興亡(12) バラエティーと放送 好調なライブイベント型 SNSで視聴率、見逃しで再生数 パッケージ系は厳しい状況に
 メディアの歴史は、活字↓音声↓映像と展開してきた。今回は、ラジオやテレビの普及をけん引した番組分野、バラエティーや音楽などの娯楽番組から放送の変化を探る。このジャンルで今年際立ったのは、長時間特番が好調だったことだ。47回目を迎えた日本テレビ『24時間テレビ』、38回目のフジテレビ『27時間テレビ』はいずれも高視聴率だった。さらに日テレ『THE MUSIC DAY』やTBS『音楽の日』などの音楽特番も前4週の同時間より高い数字を出している。近年のPUT(総個人視聴率)下落傾向にあって、特番は相対的に順調だ。イベントとライブ視聴の相性の良さが背景にある。(次世代メディア研究所 鈴木祐司)
(続きは本紙でレポート)


新宿駅にLEDサイネージ 3種類のディスプレーを運用/JR東日本企画
 ジェイアール東日本企画(JR東日本企画)がJR新宿駅南改札内に設置したLEDビジョンサイネージ「新宿BBB(スリービー)」が各方面から話題を集めている。
 JR東日本企画では、JR東日本グループが掲げる『Beyond Stations構想』に基づきメディア開発を進め、今年4月15日から「BOX(ボックス)」、「BLOCK(ブロック)」「BELT(ベルト)」の3種類の大型LEDディスプレーを運用。コンコース内にイマーシブなメディア空間を創出している。
(続きは本紙でレポート)

※本紙とデジタル版は同一内容です。

2024年9月9日号 主な記事

 ●音楽体験コンテンツを販売開始 映像に触れると楽器が響く/TREE Digital Studio
 ●4K8K衛星放送の視聴可能機器が2000万台突破
 ●HotChips 2024報告(2) 各社がAI機能を競う
 ●伊藤忠ケーブルシステムが大阪で内覧会/パートナー企業13社が展示参加
 ●KDDI SUMMIT 2024/生活に溶け込む未来技術を体験

コンテンツビジネス

● 音楽体験コンテンツを販売開始 映像に触れると楽器が響く/TREE Digital Studio
● ライブの真空パック事業を推進 ギター演奏を再現する新技術/ヤマハ

放送

● 第3次取りまとめ案 IPユニキャスト 放送代替に適合
  /総務省「小規模中継局等BB代替作業チーム」
● 4K8K衛星放送視聴可能機器2000万台突破 2028ロス五輪で4000万台に/A-PAB

CATV/CS

● 地元企業のSDGs活動 分かりやすく学ぶ新番組/ジェイコム札幌
● 世田谷区と高齢者見守り活動で協定/J:COM世田谷

プロ機器

● 国スポの配信業務 スマート制作で/ユニゾンシステムズ
● ST 2110製品を拡充 小型の多目的カメラを発売 来夏には17型BVMモニター/ソニー
● MXFクリップサーバーを出荷 XDCAM互換のMXFとHD-SDIを相互に変換/朋栄
● フーリエオーディオを取扱 VST3プラグインをライブで運用/ヒビノインターサウンド
● トータルワークフローを提案/伊藤忠ケーブルシステムが大阪で内覧会

ディスプレー/大型映像

● 業界最軽量級の大型LED ディスプレー主力に販売/エレックス
● ソウル・バンドのライブ プラネタリア横浜で開催/コニカミノルタ
● 新宿駅にLEDサイネージ 3種類のディスプレーを運用/JR東日本企画
● バーチャルプロダクションスタジオの利用拡大を図る/テルミックが展示会などでPR

映画/番組/CM

● 名作ドラマ特集 俳優ドラマ特集/TVer

家電/民生機器

● 台風10号の被害に特別修理サービス/マウスコンピューター

業務用機器

● Core Ultra7搭載のビジネスPC AI処理能力が向上
  /マウスコンピューターが発表

統計・調査

● 国内の動画コンテンツビジネス市場 23年度 総市場規模は9070億円
  /矢野経済研究所が調査
● デジタルコンテンツ白書2024 DCAJが発刊 分野別に市場規模調査

総合

● HotChips 2024 報告〈2〉 NVIDIAの次世代GPUに注目 各社がAI機能を競う
● KDDI SUMMIT 2024開催 生活に溶け込む未来技術を体験
● オリジナルロボットの「ダンス」を実演公開/日本科学未来館

イベント一覧

● コンテンツ産業の市場規模と動向の調査報告 AI音楽ツール活用の討論も/DCAJが白書発刊セミナー

デジタルコンテンツ協会(DCAJ)は、9月17日に「『デジタルコンテンツ白書2024』発刊セミナー」をオンライン(Zoom使用)で開く。参加費無料。
プログラムの第1部では、「2023年のコンテンツ産業の市場規模」と題し、DCAJが調査を開始した2001年以降で過去最高を更新した23年の市場規模と動向について解説する(関連記事13面)。
第2部パネルディスカッション「AI音楽ツールの今 ~作家ソンとAI歌声合成システム」では、『デジタルコンテンツ白書』編集委員長の内山隆氏がコーディネーターを務め、音楽ビジネスを展開する業界関係者を講師に迎え、それぞれの経験と専門知識から、音楽ビジネスにおける生成AI活用の最新動向と今後の可能性について討論する。
【日時】9月17日/15時-17時30分
【申し込み締め切り】9月17日/12時
【申し込み・詳細】https://dcaj20240917semi.peatix.com/


● 生成AIセミナーを開催 コンテンツ制作や法律問題/次世代メディア研究所

次世代メディア研究所(東京都杉並区)は、メディア関係者向けの生成AIセミナーとワークショップをオンライン(Zoom使用)で開く。
「生成AIコンテンツの作り方」(全8回)は9月26日から、生成AIコンテンツの課題への対応を考える「生成AIと法」(全4回)は10月2日から開始する。いずれもVOD聴講が可能であるため、自分のペースで学べる。
◆生成AIコンテンツの作り方
米国や日本でCG映画など数々の作品を手掛けた伊藤博文氏を講師に、生成AIを使った実践的なコンテンツ制作の各プロセスを学ぶ。毎回テーマを決め、『生成AIの使い方』のレクチャーと、実際に参加者が制作する挑戦コーナーで構成する。
[各回の内容・開催日] ▽①「今日から使えるテキスト作成」(提案・タイトル・番宣文など)=9月26日▽②「誰でも出来る作詞作曲」(想像力さえあれば名音楽家)=10月10日▽③「ミュージックビデオに挑戦」(作詞作曲を基に動画が簡単)=10月24日▽④「コメント作成も楽々」(事実の羅列から名文へ)=11月7日▽⑤「アプリサービスに挑戦」組織の資源を有効活用)=11月21日▽⑥「生成AIアニメに挑戦1」(シナリオ作成)=12月5日▽⑦「生成AIアニメに挑戦2」(キービジュアルから動画へ)=12月19日▽⑧「全体総括とQ&A」(ピンポイントに何でも質問&回答)=2025年1月9日
◆生成AIと法
コンテンツ関係の法律問題に詳しい骨董通り法律事務所の橋本阿友子弁護士を講師に、生成AIコンテンツに関係するさまざまな課題と対応策が学べる内容になっている。
[各回の内容・開催日] ▽①「著作権侵害を回避するために」=10月2日▽②「肖像権・パブリシティ権と生成AI」=10月31日▽③「レピュテーションリスクも心配無用!」=11月12日▽④「『政府による法制化』最前線」=11月27日
なお、両セミナーには、それぞれ1人分の料金のほか、割安な複数人料金がある。
【申し込み・詳細】https://jisedai-media.main.jp/ai/


● RAIDが映像機器展 沖縄、大阪、東京など全国各地で順次開催

RAIDは、8月24、28日のストロベリーメディアアーツ福岡オフィスでの会場を皮切りに、全国各地をめぐる「RAID映像機器展2024」を開催中。
RED「KOMODO-X」、ソニー「FX6」「VENICE2」などのシネマカメラを、放送用カメラにビルドアップする光伝送システム「SIRIUS」のデモをはじめ、スモールHD製小型モニターおよびカメラコントロールキット、テラデック製トランスミッター「Bolt6 LT」などを展示する。
9月10日には沖縄県那覇市のプロ機材ドットコム、18、19日には大阪市のジャパンブロードキャストソリューションズ淀屋橋クリエイティブラボ、26、27日には東京(会場未定、フジヤカメラ店協賛)、10月7、8日には名古屋市昭和区のみんなと本社で、それぞれ開催を予定している。

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