●8K映像の可能性を探る MADD.Awardが開催 NHKの体験型作品も特別上映(3月29日)
映像表現の可能性を追求する新しい映像アワード「MADD.Award 2019」の授賞式および関連作品の試写が3月29日、東京・日本科学未来館で開催された。
MADD.は、アストロデザインと慶応義塾大学SFC研究所、次世代映像コンソーシアムが設立。Movie for Art, Design and Data(MADD.)をコンセプトに、新しい映像表現にチャレンジする場を提供する。今回のアワードでは8Kの実写動画とCGを募集し、8Kが持つ可能性を表現した作品として、15の応募作品からv0id(岡本空己氏、齋藤健司氏)の「MetaRefraction」を優秀賞に選出した。
特別上映では、NHKエンタープライズとNHKメディアテクノロジー(現NHKテクノロジーズ)が開発した体験型エンタテインメント作品『カナシミの国のアリス』8K×3D×interactiveを上映した。
両社はこれまでも8K映像を活用した多彩な映像コンテンツを共同で開発してきた。今回の『アリス』は、正面に8K3D映像を、床面に4K2D映像を投影することで、観客と映像・音響がインタラクションする新しい空間体験を目指しており、観客は、3Dで出現する目の前の世界に、主人公とともに物語の世界に入り込む体験ができる。ゴーグルを使わず多人数で共有できるVR作品でもある。
ストーリーは、「鏡の国のアリス」を下敷きにしたファンタジーで、現代の東京に生きる女の子が異世界に逃避行する。劇中では、プリレンダーの映像の再生と同時に、幻想の世界をリアルタイムに描画。三次元距離センサー「3DLiDAR」で鑑賞者を読み取り、その人数に応じて「タッチデザイナー」で3DCGを出現させたり、マイクで拾った場内の拍手の音に合わせて、シャボン玉を花にリアルタイムに変化させたりするなどの演出をほどこすことで、リアルと幻想の融合を観客に体験させた。
●「技研公開2019」開催 高精細VR技術など披露 5月30日から4日間 未来のテレビを体感/NHK
NHK放送技術研究所(技研)は、最新の研究成果を一般に公開する「技研公開2019」を5月30日-6月2日の4日間、「ワクからはみ出せ、未来のメディア」をテーマに開く。入場は無料。
3DテレビやAR(拡張現実)、VR(仮想現実)を活用した、従来のテレビのワクを越えた視聴サービスを実現する技術など24項目の研究成果を展示。表現空間を拡張した多様なコンテンツやサービスの実現を目指した「リアリティーイメージング」の研究成果からは、高精細VR映像や、AR技術を活用したテレビ視聴サービス技術などを披露する。
「ARを活用したテレビ視聴スタイル」は、AR技術を活用して、テレビ画面から出演者が飛び出すような新しいテレビの視聴スタイルを実現する技術。放送と同期してインターネットで配信される出演者の3D映像が、AR用メガネやスマートフォンのカメラ機能を利用してテレビの前に実物大で表示される。
「高精細VR映像」は、VR技術と高精細映像とを組み合わせることで、リアルで高い没入感の実現を目指した高精細VR映像。180度の視野を覆う大画面のスクリーンで高精細なVR映像を上映する。将来、VR用メガネなどのさまざまな視聴スタイルで楽しむことができる没入感の高い映像を、大画面のスクリーンで体験できる。
AI(人工知能)を活用して番組制作を支援する「スマートプロダクション」の研究成果からは、自然で滑らかに気象情報を読み上げるAIアナウンサーの技術や、地域放送局での字幕制作の拡充に向けて、AIを活用して生放送の音声から自動的に字幕を作りスマートフォンなどにインターネット配信する技術などを展示する。
技研の講堂では、基調講演や技研職員による研究発表「ラボトーク」を実施。また、8Kスーパーハイビジョンのコンテンツも上映する。
【日程】5月30日-6月2日/10-17時
【会場】NHK放送技術研究所(東京都世田谷区砧1-10-11)
【詳細】www.nhk.or.jp/strl/open2019
●ケーブル技術ショー2019 来場事前登録・技術セミナー参加 ウェブで申し込み受付開始
日本CATV技術協会は、日本ケーブルテレビ連盟、衛星放送協会とともに、ケーブルコンベンション2019関連イベント「ケーブル技術ショー2019」を6月19、20日に開催するにあたり、来場事前登録および技術セミナーの参加申し込み受付を公式ウェブサイト(www.catv-f.com)で開始した。
ケーブル技術ショーの開催テーマは「ケーブル技術の新時代、幕開け The New Era Cable Technology Begins! ~人をつなぐ、地域をつなぐ、豊かな社会づくりを目指して~」。新時代の実現に向けた機運醸成を図るとともに、CATV技術の一歩先行く姿を発信する。出展各企業の新製品や新ソリューション技術などの展示、最先端技術のセミナーを用意している。
事前の来場登録では、申込者にメール返信される「入場証(PDF)」を印刷して持参すれば入場受付に立ち寄ることなく、そのまま入場できる仕組みを採用。同時開催のケーブルコンベンション登録IDでも、そのまま入場できる。
技術セミナーは、15社が20セミナーで最新技術について解説する。主催者セミナーでは、総務省によるIoT機器のサイバー攻撃からの注意喚起の取り組み「NOTICE」システムの説明、米国におけるケーブル技術の動向と業界の将来と題して、米国のケーブル技術者団体のSCTE(Society of Cable Telecommunications Engineers)による講演を実施する。
【日程】6月19、20日/9時30分-18時(20日は17時まで)
【会場】東京国際フォーラム(東京都千代田区丸の内3-5-1)/展示会=ホールE、セミナー=ホールE 隣接セミナー室①②
・同時開催 ケーブルコンベンションも 各種セミナーと情報交換会
日本ケーブルテレビ連盟、日本CATV技術協会、衛星放送協会の3団体は、CATV業界の総合コンベンション「ケーブルコンベンション2019」(ケーブ技術ショーと同時開催)の各種セミナー、情報交換会の参加申し込み受付を公式ウェブサイトで開始した。
今年のケーブルコンベンションは「『Beyond the Value』~その価値を超えて、ここから生み出そう~」がテーマ。CATVの『価値』を見つめ直し、どうすればもっと加入者の生活を豊かにし、新たな価値を創造できるかを考察する。
【詳細】www.catv-conv.jp
●調査レポート発刊セミナー 動画配信市場の動向探る/DCAJが24日に開く
デジタルコンテンツ協会(DCAJ)は、動画配信市場の実態把握のために独自で調査した結果をまとめた「動画配信市場調査レポート2019」を発刊した(5月6日号既報)が、発刊にあたり同レポートの解説と巻頭特集を寄稿した四方田浩一氏(映像メディア総合研究所 代表)を講師に迎え、5月24日にセミナーを開く。
【講演】①「動画配信市場調査レポート2019(サマリー解説)」黒川啓太郎氏(DCAJ常務理事)、②「5G前夜、2020年代の動画配信市場を考察する」四方田浩一氏
【日時】5月24日/15時30分-17時
【会場】DCAJ会議室(東京都千代田区一番町23番地3 千代田一番町ビルLB)
【受講料】一般2000円、DCAJ法人会員無料
【申し込み】www.dcaj.or.jp/news/2019/04/2019-1.html
【問い合わせ】Eメール=semi0524@dcaj.or.jp
●東京・大阪で内覧会 8K映像技術を主軸に/アストロデザイン
アストロデザインは、内覧会「Private Show 2019」を東京と大阪で開く。8K映像技術を主軸とし、スポーツ、芸術、医療、インフラ検査など多岐にわたる分野に提案する。併せて多彩な講師陣による技術セミナーを実施する。入場無料。
【東京会場】▽日時=6月13、14日/10時-17時30分▽会場=アストロデザイン本社ビル(東京都大田区南雪谷1-5-2)
【大阪会場】▽日時=7月25、26日/10時-17時30分▽会場=グランフロント大阪 北館4階ナレッジシアター(大阪市北区大深町3-1)
【詳細】www.astrodesign.co.jp
●文化庁メディア芸術祭 受賞作品展を開催 6月に科学未来館などで
文化庁は「第22回文化庁メディア芸術祭受賞作品展」を、6月1-16日に東京・青海の日本科学未来館を中心に開催する。入場無料。
同展では、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門に応募があった4384作品(過去最多の世界102の国と地域から応募)の中から審査を経て選ばれた全受賞作品と、功労賞受賞者の功績などを一堂に展示するとともに、シンポジウムやトークイベント、ワークショップなどの関連イベントを実施する。
今回は同展のさらなる認知拡大を目指し、女優・モデルとして活動する新川優愛をアンバサダーとして起用。自身がナビゲーターを務めるBSフジ『ESPRIT JAPON』で、同展に関する特集番組を放送するほか、配信用のPR映像への出演などを予定している。
【日程】6月1-16日(火曜休館)/10-17時
【会場】日本科学未来館(東京都江東区青海2-3-6)ほか
【詳細】festival.j-mediaarts.jp