● アヌシー国際アニメ映画祭 日本の”新しい動き”を世界に発信 20年ぶりに「名誉国」に選出
文化庁と東京都、映像産業振興機構(VIPO)は18日、フランス・アヌシー市で6月10-15日に開催される「アヌシー国際アニメーション映画祭2019」における「日本アニメーション特集」の詳細を発表する記者会見を開催した。
同映画祭は宮崎駿監督や高畑勲監督が最高賞を受賞。湯浅政明監督が『夜明け告げるルーのうた』でグランプリを、片渕須直監督が『この世界の片隅に』で審査員賞を受賞するなどしてきた。
今年は、毎年1カ国に焦点を当てその国のアニメーション文化を紹介する「Tribute Country(名誉国)」に日本が20年ぶりに選ばれた。総合ディレクターを務める岡本美津子氏(東京藝術大学副学長)は、「今回のテーマに『NEW MOTION -the Next of Japanese Animation-』を選んだ。これからの日本のアニメの動きを考える企画であり、次世代を担うクリエイターや新しい技術にのっとった表現などすべての新しい動きをお伝えしたい」と話した。
ここで中心となるのが「ニューモーション・クリエイターズファイル」となる。新進気鋭のクリエイター26人をブックレットに登録し、その作品の上映、展示をする。発表会には板津匡観氏、押山清高氏、小林寛氏、佐藤広大氏、Salina Nihei氏、薄羽涼彌氏の6人が登壇した。
フェスティバル公式上映では、アニメーターや作画監督の紹介、独自の世界を持つ和田淳監督のアニメーション作品の上映をする。日本の若手アニメーター育成プログラム「あにめたまご」で生まれた最新作も披露する。
さらに、日本主催イベントとして、ビバルティ「四季」に合わせたライブアニメーションコンサートをアヌシー城で開催する。ヤマハと東京藝術大学が産学連携で開発した、AIが映像を生演奏に合わせる技術を利用しており、今年1月にロサンゼルスで開催したコンサートに続くものとなる。名作『カリオストロの城』の野外上映も実施する。
6月11-14日に開催される併設見本市「MIFA」におけるジャパンパビリオンでは、湯浅政明監督の新作『きみと、波にのれたら』や、新海誠監督と川田十夢氏ら「AR三兄弟」のAR新作、協賛企業である凸版印刷のVR新作などを紹介する。
現役クリエイターである押山清隆氏によるワークショップ「MIFAキャンパス」や、文化庁メディア芸術連携促進事業である「アニメーションブートキャンプ」といった催しもある。
会見では、短編部門の審査員でもあるアニメーション作家の山村浩二氏がゲストとして登壇し、「文化交流という意味で映画祭は大きな意味を持つ。今はインターネットによって世界と簡単につながっているようだが、実際はネット社会に小さなコミュニティが閉じて存在する。映画祭で大勢の人がスクリーンでフィルムを楽しみ、20年ぶりに日本とフランスが交流できることを楽しみにしている」とあいさつした。
●「第50回 照明まつり」を開催 協会設立60周年記念式典も併催/日本映画テレビ照明協会
日本映画テレビ照明協会(JSL/望月英樹会長)は、第50回「照明まつり」を4月24日に東京都調布市の調布市グリーンホールで開催する。
今回は、協会設立60周年と重なり、それを記念した式典を「映画の街」調布で実施することになった。恒例の最新照明機材展示会(機材展)、技術賞など各賞の授賞式および懇親パーティーで構成する。若い照明部や協会活動に設立当時から携わってきた人たちとともに60周年を祝う(なお、恒例の「照明ワークショップ」は開かない)。
日本映画テレビ照明協会は、1959年に「日本映画照明新人協会」として発足。当時の各撮影所の照明助手により組織した。その後、会員を増やし組織を拡大、2001年に現在の名称になった。
1969年に「照明技術賞」を設定、技術の向上にその役割を果たしている。また、助手を含めての表彰は同協会の特色でもある。
「照明まつり」における機材展は、同協会の維持会員である照明機材や周辺機器のメーカーと販売会社の協力で実施。LED機材をはじめとする新製品や現場で必要な消耗品などを展示する。今回も別表のとおり各社が参加。開催時間は午後2-5時(入場無料)。創立60周年記念式典(授賞式・懇親パーティー)は、午後5時30分から開始する。会費は一般5000円、学生2500円。
【会場】東京都調布市小島町2-47-1 調布市グリーンホール 小ホール
【問い合わせ】日本映画テレビ照明協会TEL:03-5909-3396
◆照明技術賞・協会賞など決定
「照明技術賞」は、1年間に発表された作品から、特に優秀な業績を示した照明技術に対し、担当した技師およびスタッフを5部門で表彰。会員、維持会員の投票から上位作品を厳正なる審査により選定する。「協会賞」および「伊藤幸夫賞」の審査・選定は、推薦を受け同協会役員会で決定される。各賞の受賞者は次のとおり(敬称略)。
【第50回 照明技術賞】
[映画部門]
◇優秀照明賞=「日日是好日」(製作/「日日是好日」製作委員会、配給/東京テアトル、ヨアケ)担当者:水野研一(APEX支部)
◇審査員賞=「万引き家族」(製作/フジテレビジョン・ギャガ・AOI Pro、配給/ギャガ)担当者:藤井勇(照太郎支部)、会員助手:宮永挙、岩本雄介、西あずさ(照太郎支部)
◇優秀新人賞=「銃」(製作/エクセリング、配給/KATSU-do・太秦)担当者:志村昭裕(本部会員)、会員助手:高井大樹(本部)
◇新人特別賞「ルームロンダリング」(製作/「ルームロンダリング」製作委員会、配給/ファントム・フィルム)担当者:浜田研一
[ドラマ部門]
◇最優秀照明賞=特集ドラマ「スニッファー 嗅覚捜査官 スペシャル」(制作/NHK)担当者:牛尾裕一(NHK支部)、会員助手:井本敬人(NHK支部)
◇優秀照明賞=大河ドラマ「西郷どん 第7回『背中の母』」(制作/NHK)担当者:久慈和好、会員助手:前田晃(エクサート松崎支部)、奈良裕希、中川逸人(関西支部)
◇新人奨励賞=「デッドフレイ~青い殺意~」(制作/NHK)担当者:岩間一真、会員助手:土岐勝貴、宮田幸雄(エクサート松崎支部)
[CM・VP部門]
◇優秀照明賞=丸亀製麺 タル鶏天ぶっかけ「元気になれーっ」編(制作/東北新社)担当者:中須岳士(本部会員)、会員助手:小川真人、岡田真之、今泉尚、小迫智詩(本部)、中川のどか、飯田紗希(マジックハンド支部)
◇審査員技術賞=サントリー「ペプシ Jコーラ 怪物舞踏団」編(制作/東北新社)担当者:米井章文
◇審査員技術賞=SUZUKI KATANA(制作/イメージサイエンス)担当者:西野哲雄(爽風支部)、会員助手:西野龍太郎、佐々木健太、石川建人(爽風支部)
[MV部門]
◇最優秀照明賞=獣ゆく細道/椎名林檎と宮本浩次(制作/ギーク・ピクチュアズ)担当者:上野甲子朗
◇優秀照明賞=Where You Are/降谷建志(制作/エクストリーム)担当者:島村佳孝
[総合部門]
◇該当作品なし
【第42回 協会賞(勤続40年表彰)】
◇澁谷乘二(本部)、鳥越正夫(日活グループ)、西野哲雄(爽風支部)、林方谷(本部)、吉荘介(APEX支部)▽協会功労賞(機関誌「映像照明」の長きにわたる編集協力、フィルムコミッションとのかかわりに対して)=国本正義(本部)
【第28回 伊藤幸夫賞】◇工藤一也(APEX支部)、三上貢(バル・エンタープライズ支部)
● NABショー出展製品披露 プレゼンテーションも実施/朋栄が内覧会
朋栄は、米国・ラスベガスで開催された「NAB(エヌエービー)ショー2019」の出展製品を中心にした内覧会を5月16、17日の2日間、同社本社で開く。
内覧会では、12G-SDI、IP、HDR、広色域などに関連した新製品/新ソリューションを披露。またリモートプロダクションやスポーツプロダクション、簡易中継装置などの輸入取扱製品、セキュリティー関連製品のエリアを設け、各種製品を展示する。入場は無料(事前登録不要)。
また、同社の取り組みを説明するプレゼンテーションも実施。聴講はウェブサイト(for-a.co.jp/privateshow2019)から事前予約する。
【日時】5月16日/10-19時、17日/10-18時
【会場】朋栄本社(東京都渋谷区恵比寿3-8-1)
● 先端映像技術で「お祭り」/SKIPシティがイベント
埼玉県は、SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ映像ミュージアム(川口市)において、企画展「マツリミライ:先端映像技術が『祭』をアップデートする」を4月16日から開催している。
会場には、スマートフォンで魚を捕まえる「金魚すくい」や、HMD(ヘッドマウントディスプレー)とアームセンサーを付けてAR(拡張現実)空間でモンスターを退治するアトラクション、体を動かす(踊る)ことで音を奏でるARアプリケーションなど、これまでにない体験を祭りや縁日のように楽しめる。
また、北本まつりに代表される伝統的な「ねぷた」が、プロジェクションマッピングによって参加型の展示に変化し、自分の顔がねぷたに映し出されるという、インタラクティブな体験ができる。
会場内では、各コンテンツに使われているARやプロジェクションマッピングなどの仕組みを、パネルで分かりやすく解説。先端映像技術について学べる。
すべてのコンテンツは、ミュージアム入館料(大人510円/小中学生250円/常設展も入場可)だけで体験可能。また会期中は、ワークショップなどのイベントも予定している。
【会期】4月16日-9月29日
【会場】SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ映像ミュージアム(埼玉県川口市上青木3-12-63)
【開館時間】9時30分-17時(入場は16時30分まで)
【休館日】月曜日(祝日の場合は翌平日/7月16部は特別開館)
【詳細】www.skipcity.jp/event/vm/mm
● 天王寺キャナルフェス2019春「ジョージア映画祭」
4月26、27日に開催。ジョージア(旧グルジア)を代表する映画を新旧そろえて上映する。主催は天王洲・キャナルサイド活性化協会(共催=ユーラシア国際映画祭)。
上映作品は『放浪の画家ピロスマニ』(26日19時/屋外上映/無料)、『葡萄畑に帰ろう』(27日15時/上映+トークショー/有料=1000円)、『ケトとコテ』(27日19時/屋外上映/無料)、『GENO』(27日18時30分/ジョージア初の3Dアニメ/無料)。
同映画祭は「ジョージアワイン祭り」(寺田倉庫B&C HALLで開催中)とも連携している。
【会場】船上スペース「T-LOTUS M」(東京都品川区東品川2-1先)
【有料上映予約】www.kokuchpro.com/event/4317f866bb5baab65f447aecfffe22cd
【詳細】urx2.nu/3Awc