イベント

2019/10/142019年10月14日

●国立映画アーカイブなどが26日にイベント 日本とミャンマーの合作映画を披露 1935年の作品をデジタル復元 「世界視聴覚遺産の日」を記念

国立映画アーカイブと文化庁は10月26日に、2019年のユネスコ「世界視聴覚遺産の日」記念特別イベントを、東京都中央区の国立映画アーカイブ「長瀬記念ホール OZU」(2階)で開催する。イベントでは、「日メコン交流年2019」と来年のミャンマー映画生誕100年を祝うものとして、日本とミャンマー(当時ビルマ)初の合作映画『日本の娘』(1935年)デジタル復元版のプレミア上映および、トークイベントを開催する。
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『日本の娘』は、「ミャンマー映画の父」とも呼ばれるニープが監督と主演を務めた作品。共同監督は枝正義郎ほか。ビルマ人飛行士の兄弟(ニープ、ティンペー)は、東京-ラングーン(現 ヤンゴン)間のノンストップ飛行に挑むために来日するが、兄は日本人の恵美子(高尾光子)と恋におち、飛行計画と兄弟の仲にも暗雲がたれこめていく。
ニープ兄弟は1935年6月10日にビルマ初の観光団として、後にビルマ首相となる団長・ウーソーらと6人で来日した。日本紹介を目的とした同作品には、1931年に開港した東京羽田飛行場や目黒雅叙園、自動車競走大会、芦ノ湖などの映像が豊富に収められ、本国で人気を博したという。
日本国内では未公開だったが、1992年にプリントが東京国立近代美術館フィルムセンター(現 国立映画アーカイブ)で発見され、『にっぽんむすめ』の題で上映されてきた。
◆デュープネガから復元しDCPを作成
今回のイベントでは、国立映画アーカイブが文化庁の令和元年度美術館・歴史博物館重点分野推進支援事業で、デジタル復元した映像が上映される。
復元作業では、国立映画アーカイブが所蔵する35ミリデュープネガをデジタル化した後、2K解像度での画像修復とグレーディング、音声のノイズ除去や日本語字幕制作を実施。デジタルソースマスターとDCPを作成した。
プロジェクトに参加したIMAGICA Labは、「(2020年3月に予定されている里帰り上映など)ミャンマーでも多くの方が鑑賞するということで、とにかく作品を可能な限りスムーズに視聴できるよう修復した」と話す。
素材となったフィルムの状態は悪くなく、画像に関しても特殊な症状はなかったというが、「デュープネガは複製が重ねられたもの。過去の傷や汚れが焼きこまれて多数残っており、これらを修復するという意味で難易度が高かった。欠損部分や修復困難な部分も多かった」と振り返る。
音についても「ノイズに埋もれ、聞こえなくなっている部分が多く、音質を整える以前に『拾い上げる』という部分に力を費やした」のだという。
上映される映像では、冒頭に修復部分のビフォー・アフターが付加されている。ここからは、世代を経てなお映像が精細に残されていること、そしてそれを損なわずに劣化症状のみを修復したことが見て取れる。
イベント概要
【上映日時】10月26日12時/16時(有料)
【トークイベント】同日13時50分(入場無料)
「『日本の娘』-映画遺産の救済と保存にむけて」(仮)(60分)/登壇者=テイン・トゥット(俳優/監督、A1 Film Company)、オッカー(Save Myanmar Filmプロジェクトディレクター)
【詳細】
www.nfaj.go.jp/exhibition/unesco2019


●ブックオフ、アンファーなどが大賞 11月1日に贈賞式と記念パーティ/ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS

質の高いCMの制作と放送への貢献を目指すACC(旧名称=全日本シーエム放送連盟)は、「2019 59th ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」における、各部門の総務大臣賞/ACCグランプリを発表した。応募総数は2456本。
テレビCMを対象とするフィルム部門Aカテゴリーは、ブックオフコーポレーションの企業広告および、アンファーの「スカルプD メディカルミノキ5」がともに受賞。ウェブCMのBカテゴリーは、タクティーの10秒ドラマシリーズが圧倒的な差で選出された。
同アワードは、1961年に創設された「ACC CM FESTIVAL」を前身とし、2017年にあらゆる領域におけるクリエイティブを対象としたものに一新した。
入賞作品の贈賞式・記念パーティーは11月1日に東京・溜池のANAインターコンチネンタルホテル東京で実施される。
受賞作品の詳細は以下のとおり(カッコ内は広告会社、制作会社の順)。
【フィルム部門】
◆Aカテゴリー
◇ブックオフコーポレーション/企業「フィクションは本だけに店員編」他(ティー・ワイ・オー、ティー・ワイ・オー第二プロデュース本部)
◇アンファー/スカルプD メディカルミノキ5「出会い編」他(ワトソン・クリック、ギークピクチュアズ)
◆Bカテゴリー
タクティー/jms「連続10秒ドラマ『愛の停止線』」(博報堂ケトル/博報堂、東北新社)
【ラジオ&オーディオ広告部門】
大日本除虫菊/ゴキブリがうごかなくなるスプレー他「G作家の小部屋 独創性について」他(電通 関西支社、ヒッツコーポレーション)
【マーケティング・エフェクティブネス部門】
大起エンゼルヘルプ/注文をまちがえる料理店(広告会社=TBWA\HAKUHODO)
【ブランデッド・コミュニケーション部門】
◆Aカテゴリー(デジタル・エクスペリエンス)
※グランプリ選出なし
◆Bカテゴリー(プロモーション/アクティベーション)
テレビ朝日/東宝/プレミアムスポンサー各社/『君の名は。』地上波放送(電通、コミックス・ウェーブ・フィルム/テレビ朝日映像/ゼニス/ティー・ワイ・オー 第二プロデュース本部/たき工房)
◆Cカテゴリー(PR)
プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン/PANTENE(PARTY/電通/マテリアル/TBWA\HAKUHODO、ギークピクチュアズ/J・C・SPARK/S2 Factory/電通クリエーティブフォース)
◆Dカテゴリー(デザイン)
日清食品ホールディングス/NISSIN KANSAI FACTORY(SAMURAI、東北新社)
【メディアクリエイティブ部門】
中国放送/RCCテレビ60年特別企画リリーフドラマ『恋より好きじゃ、ダメですか?』(広告会社=博報堂DYメディアパートナーズ)
【クリエイティブイノベーション部門】
やさいバス/博報堂/スタンダード「やさいバス」


●4K8K映像を24日に特別上映 各社の最新モニターで再生/キュー・テック

キュー・テックは24日に、創立30周年の記念事業として、同社の業務用4K8K主観評価用標準動画像集およびデモンストレーション用コンテンツの上映商談会「キュー・テック 4K8K高画質コンテンツプレビュー2019」を、千代田区外神田のUDXギャラリーNEXT-1で開く。
4K「QT-4000」8K「QT-8000」各シリーズをオリジナル非圧縮ファイルで再生、HDR(PQ)/BT.2020/60pで上映する。8K HDRイメージビデオとして制作した新作「アンティークの館へようこそ」も披露する。
特別セミナーでは、マルチメディア評論家・日本画質学会副会長の麻倉怜士氏がQT-8000/QT-4000の主観評価要点を解説する。
ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ主幹技師の小倉敏之氏は、テレビとマスターモニターの要求画質の違いを講演する。
特別展示では、ソニーの8Kテレビ BRAVIA MASTERシリーズで8K HDR映像を再生。8社の最新4K HDRモニターの画質をQT-4000シリーズで確認することもできる。
申し込みは18日まで(競合他社を除く)。
◆詳細=www.qtec.ne.jp/news/4k8kcontentspreview2019


●国際映像見本市「TIFFCOM」 過去最多の401団体が出展 初日に「CHINA DAY」実施

東京国際映画祭(10月28日-11月5日)併設の国際映像見本市であるTIFFCOMは、16回目を迎える今年も「Japan Content Showcase(JCS)」として、アニメーション関連を中心とした東京国際アニメ祭(TIAF)と、音楽の国際マーケットである東京国際ミュージックマーケット(TIMM)とともに、10月22-24日に開催される。
TIFFCOMには401団体の出展が決定、過去最多の総出展数となる。特に、アジア最大規模のコンテンツマーケットとして、回を重ねるごとに海外からの出展が増加。今回は国外からの出展は229団体(昨年比30%増)に上る。
また、アジア各国のパビリオンへの出展意欲が高く、海外パビリオン数自体は10で、パビリオンへの出展団体数は、189団体(同53.8%増)となっている。特に中国からは2つのパビリオンが初参加。出展団体は昨年の14団体から90団体に増えた。
そこで、日中映画共同製作協定が昨年締結されたことなども勘案し、一層の協業を推進すべく初の試みとして、初日(22日)を「CHINA DAY」とする。当日は、映画監督の石井裕也氏(『舟を編む』『町田くんの世界』)の登壇が決まった「映画・テレビ業界における国際交流」のほか、中国関連のセミナー2本に加え、TIFFCOMウェルカムパーティーを中国と共同開催する。
今年も「IP(知的財産)」、「Book Adaptation(書籍の映画化、映像化)」に注力し、マンガ、書籍、キャラクター、アニメ、映画、テレビ、音楽、アート、ゲームなどの二次利用の一層の活性化に貢献していくという。
【日程】「TIFFCOM/TIAF」10月22-24日、「TIMM」10月28-30日
【会場】サンシャインシティ コンベンションセンター(東京・東池袋/TIFFCOM、TIAF)、渋谷エクセルホテル東急(東京・道玄坂/TIMM)ほか
【詳細】https://www.jcs.tokyo/ja(来場登録は有料)


●「Ki Pro Go」 25日に発売記念イベント 実機使いデモ/アスクM&E

アスク メディア&エンタープライズ(M&E)事業部は、AJAビデオシステムズの最大4chのHD/SDビデオをH.264で同時収録できる新しいマルチチャンネル・レコーダー「KiPro GO」の販売開始を記念して、10月25日に実機が試せるセミナー・イベントを開く。
同イベントでは、KiPro GOの製品説明やライブ映像制作向けAJA最新製品の披露、NewTekおよびローランド製品と組み合わせた、ライブプロダクション向けのワークフローソリューションを実演する。
セミナー内容は、①「KiPro GO」の製品紹介、②IBC2019発表のAJA新製品・アップデート情報、③3社製品を組み合わせた、ライブ映像制作ワークフローを東京ゲームショウでのeスポーツイベントライブ配信の事例を元に説明、④NewTek「TriCaster TC1」、ローランドのビデオ・スイッチャー紹介。
入場には事前登録(無料)が必要。
【日時】10月25日/第1回13-15時、第2回16-18時(入れ替え制/各回定員40人、定員を超えた場合は抽選)
【会場】アスク 7階会議室A・B(東京都千代田区九段南4-8-21 山脇ビル)
【申し込み・詳細】https://peatix.com/event/1343757


●放送の課題と方向性 ネット対応などを討論/放送批評懇談会がセミナー

放送批評懇談会は、セミナー「#放送 #改革 #ビッグデータ時代~ラジオ・テレビの処方せんを考える~」を10月21日に開く。
2018年度の総広告費(6兆5300億円/前年度比102.2%)をけん引したのは、5年連続で2けた成長したインターネットだった。放送メディアは利用時間の減少が確認され、広告主からはセールスに不可欠なデータの充実を求められている。次世代モバイル通信規格5Gの普及促進などを背景に、周波数の有効利用が注目される一方、4K8K化など放送の高度化が求められている。
同セミナーでは、自民党 行政改革推進本部事務局長、情報通信戦略調査会事務局次長などを務める小林史明氏に、現在の放送が抱える課題と方向性について聞く。
ディスカッションでは、放送メディアの中でいち早くradikoでネット対応を累たしたラジオメディアにフォーカスし、その第一人者をパネリストに迎えて、放送メディアの今後について討論する。
ディスカッションのパネラーには、TBSラジオの三村孝成社長、CBCラジオの升家誠司社長(そのほか調整中)を予定している。
【日時】10月21日/14時-16時30分
【会場】明治記念館(東京都港区元赤坂2-2-23)
【受講料】放送批評懇談会正会員(個人)3000円、維持会員(法人)5000円、一般8000円
【定員】100人(申し込み締め切り10月15日)
【申し込み・詳細】https://houkon.jp


●「MPTE AWARDS 2019」第72回表彰式

日本映画テレビ技術協会(MPTE)が10月31日に開く、映画・テレビ技術に関連する技術者のための祭典。MPTE AWARDS 2019の技術開発賞、映像技術賞、青い翼大賞(学生版・映像技術賞)を表彰する。参加は自由(事前登録不要)。業界関係者との情報交換の場にもなる。
【日時】10月31日/15時開始
【会場】六本木ヒルズ内アカデミーヒルズ49 オーディトリアム(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー49階)
【詳細】http://www.mpte.jp/news/2019/10/08/mpte_awards_2019_72

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