●オリンピック記録映画を特集 1912-98年までの23作品を上映/国立映画アーカイブ
国立映画アーカイブ(NFAJ)は8日、オリンピック記録映画を一挙に上映する特集企画「オリンピック記録映画特集–より速く、より高く、より強く」に関する記者会見を開催した。
この企画は、NFAJが11月26日-12月22日の間、IOC(国際オリンピック委員会)傘下のオリンピック文化遺産財団の特別協力のもと、1912年ストックホルム大会から1998年長野冬季大会までの23作品を、国立映画アーカイブ2階 長瀬記念ホール OZUで上映するもの。
作品の多くは、IOCの映画復元プロジェクトのデジタル復元を経ており、鮮明に蘇った映像と音響で多数の名選手やさまざまな名場面を映し出す。1964年東京夏季大会をめぐる短編ドキュメンタリー選集も加え、企画全体では全27作品を上映する。
国立映画アーカイブの主任研究員である岡田秀則氏は企画について「IOCは、50本を超える数の映画を20年以上かけて復元してきた。主にここから厳選した23本を上映する。必要な作品には日本語字幕を付加して上映するまれな機会となる」と説明する。
オリンピックの様子が映画として網羅的に記録されたのは、金栗四三ら日本代表団が初参加した1912年のストックホルム大会が初となる。その後、IOCは1930年から各大会の記録映画づくりを義務付け、大会ごとの公式映画が生まれてきた。
この中には、レニ・リーフェンシュタール監督『民族の祭典』『美の祭典』(ともに1938)や、市川崑監督『東京オリンピック』(1965)、クロード・ルルーシュ&フランソワ・レシャンバック共同監督『白い恋人たち/グルノーブルの13日』(1968)といった映画史あるいはスポーツ映像の分野で重要な位置を占める作品があり、同企画でも上映されることになっている。
なお長野冬季大会までの作品から選んだのは、「1980年代以降はテレビ観戦が中心となり、記録映画が劇場公開される機会は少なくなった。映画に大きな意味が課されていた時代に焦点を当てたい」(岡田氏)からだという。
スポーツ史を専門とする東海大学の松浪稔教授も登壇し企画についてコメントした。松浪氏は「映像からは、選手のウエアや用具の変容からスポーツに関する科学技術の変化が見られる。また、どんな社会状況下で大会が実施されたのか、どういった意図で映像が記録されたのか思いをはせると面白い。今後の社会のあり方や人間の能力の未来について考えることもできる」と話した。
会期中には復元担当のエイドリアン・ウッド氏を招いた特別講演会を開催する。サイレント映画には、松浪氏によるライブ解説のほか、弁士や音楽伴奏をつけて上映をするなど楽しく鑑賞できる工夫もする。
この特集は、東京2020大会参画プログラムの「応援プログラム」として認証を受けている。
◆イベント詳細
https://www.nfaj.go.jp/exhibition/olympic201910/
●映画テレビ技術フェア in 関西 大阪でセミナーと機器展示 Inter BEE出展製品も披露
日本映画テレビ技術協会 大阪支部は12月5、6日の2日間、「映画テレビ技術フェア in 関西2019」を開催する。参加は無料。
クリエイター、映像関係者向けに、映像制作技術の最新情報を提供するセミナーと、lnter BEE 2019で発表された各社の最新機材などの展示を実施。関西地区で最新情報を入手できる機会となる。
【日時】12月5日/10時-18時30分、6日/10-17時
【会場】クリエイティブネットワークセンター大阪 メビック扇町(大阪市北区扇町2-1-7 カンテレ扇町スクエア3階)
【セミナースケジュール】(事前申し込みが必要)
[5日] ▽13時-14時30分「『チコちゃんに叱られる!』のVFX技術について」(NHKアート/林伸彦氏)▽15時-16時30分「『孤狼の血』『凪待ち』『ひとよ』白石和彌監督トークショー」
[6日] ▽12時30分-14時/第1部『「技術の正体」~テレビ、音声の基礎編~』▽14時10分-15時40分/第2部『「技術の正体」~HDR、最新技術の基礎編~』(Zaxx 舘英広氏)
【展示参加社】▽アストロデザイン▽EIZO▽エヌ・イー・ピー▽カナレ電気▽キヤノンマーケティングジャパン▽グラスバレー▽昭特製作所▽コスミックエンジニアリング▽JVCケンウッド▽シグマ▽綜合舞台▽ジャパンブロードキャストソリューションズ▽ビデオサービス▽ソニービジネスソリューション▽ビデオトロン▽フォトロン▽パナソニック システムソリューションズジャパン▽富士通▽富士フイルム▽ブラックマジックデザイン▽朋栄▽三友
【詳細】https://mpte.securesite.jp/information/2019/osaka-201912.html
●ConnecTechAsia 日本国内代理店契約を締結/ナノオプト・メディア
「Interop Tokyo」など、IT分野を中心としたイベントを主催・運営するナノオプト・メディア(東京都新宿区)は、「ConnecTechAsia」(開催地:シンガポール)の日本国内向け正規総販売代理店契約を締結した。
「ConnecTechAsia」は、東南アジア地域における通信、放送、IT分野の大規模トレードショーとカンファレンス。通信分野に特化した「CommunicAsia」、放送分野に特化した「BroadcastAsia」、先端ITソリューション分野に特化した「NXTAsia」の3つのイベントで構成する。
次回開催は2020年6月9-11日で、会場はMarina Bay Sands(シンガポール)。会期中は50カ国から約1700社・団体の出展、そして約100カ国から4万人の来場を見込んでいるという。
ナノオプト・メディアは今回の国内代理店契約締結を機に、業界注目のイベントを通じて、日本の技術の世界への発信に貢献したいとしている。
【出展に関する詳細】https://frm.f2ff.jp/form/contact
●4K・VR徳島映画祭の併催イベント 「4Kフォーラム」講演内容が決定 11月22-24日に徳島県神山町で開く
とくしま4Kフォーラム実行委員会(プラットイーズほか)は、11月22-24日に開催する「4K・VR徳島映画祭2019」の併催イベント「4Kフォーラム」の講演スケジュールを発表した。
一部の講演は徳島県のCATV局「テレビトクシマ」と「テレビ鳴門」で生放送され、動画配信サイト「ミルダム」でのライブ配信を実施する。会場では、eスポーツ体験ブースや音楽ライブなどの催しも用意している。
◆主な講演内容
[22日] ▽「全く新しいライブエンタテインメント『NO BORDER』とは?」(日本テレビ放送網 社長室R&Dシニアクリエイター/土屋敏男氏)▽「地上波のネット同時配信はテレビの未来か? LiveParkがチャレンジするその先の未来。」(LivePark代表取締役社長/安藤聖泰氏)▽「衛星放送およびケーブルテレビに関する政策の動向について」(総務省 情報流通行政局衛星・地域放送課課長/田恭子氏)
[23日] ▽「TikTokの魅力~地域の街おこしへの貢献~」(ByteDance 公共政策マネージャー/笠原一英氏)▽「新VR映像フォーマット!~VR180映像制作のワークフロー~」(VR未来塾写真家映像作家360/180VR Content Creator/染瀬直人氏)▽「テレビ(TV)ってナンだ!? どうなっていくの?」(フジテレビジョン総合事業局コンテンツ事業センターコンテンツ事業室部長職/野村和生氏)▽「三井物産の考える新メディア~一人一人のダイバーシティ/価値観に光と希望をもたらす『ミルダム』~」(三井物産 メディア事業部メディアプラットフォーム事業室室長補/佐山中崇之氏)▽「限界集落×フリーランス×YouTuber~新時代の田舎暮らし~」(ダストマンズ代表取締役/オンラインエディター/ダストマン氏)
[24日] ローカル局トークセッション「ローカル局の野心的取り組みからみる『攻めるテレビ』へのヒント」(北海道放送 社長室メディア戦略部/並木翔太氏、南海放送 報道制作本部技術局技術戦略部兼メディア統括本部メディア統括局メディア広報部部長/二宮以紀氏、愛媛朝日テレビ主任/黒河純氏ほか)▽「神山町における5G実証実験と5Gのさらなる発展に向けて」(NTTドコモ 5Gイノベーション推進室5G無線技術研究グループ担当課長/須山聡氏)▽e-Sportsトークセッション「e-Sportsってナンダ!? どうなるんだ!?」(スカパーJSAT メディア事業部門LIFEビジネスセンターLIFE事業部事業開発担当主幹/五味大輔氏、フジテレビジョン 総合事業局コンテンツ事業センターコンテンツ事業室部長職/門澤清太氏、テレビ東京 アニメ・ライツ本部ビジネス開発局イベント事業部主事/和田慎之介氏、日本テレビ放送網 社長室企画部担当副部長/アックスエンターテインメント代表取締役社長/小林大祐氏)▽「5Gがもたらす映像表現の未来を創造しよう」(電通テクノロジー開発部プロデューサー/足立光氏)
【会場】徳島県神山町立広野小学校(旧校舎、旧体育館、現体育館)
【公式ウェブサイト】http://4kforum.jp