● 映文連アワード2019 3部門計125作品が応募 下町情緒と祭りを追ったドキュメンタリーが大賞
映像文化製作者連盟が主催する優れた短編映像作品を表彰する「第13回映文連アワード2019」が11月25日、東京・六本木の国立新美術館講堂で開催された。グランプリに輝いたのは「新日本風土記 佃・月島」(59分)製作:テレコムスタッフ/NHKエンタープライズ/NHK。
同作品は、東京湾に浮かぶ「佃・月島」を舞台に、タワーマンション建設の一方で今も息づく下町情緒と、3年に一度の住吉神社の例大祭に向け、休日返上で300人の男たちが祭りの準備に励む姿を映す。
授賞式では、同作品でディレクターを務めたプラネタフィルムの伊勢朋矢氏があいさつ。「3年に一度の例大祭に向けたひと夏の物語で、佃・月島に暮らす人々が魅力となっている。番組を改めて見返したが、熱い番組だと思った。音も絵も良く録れたことが今回大きく貢献しており、撮影と音声のおかげ。今日ここにかけつけてくれた佃・月島の方たちにも感謝したい」と喜びの言葉を述べた。
映文連アワードには、「コーポレート・コミュニケーション部門」「ソーシャル・コミュニケーション部門」「パーソナル・コミュニケーション部門」の3つの部門があり、本年度は3部門計125作品の応募があった。これらの応募作品は、経験豊かなプロデューサー・ディレクターによる一次審査、さらに映画監督や広告関係者、映像評論家たち(長谷部守彦氏、澤本嘉光氏、清水亮司氏、三井明子氏、谷川建司氏、岡田秀則氏、中山治美氏、松本貴子氏、安藤紘平氏、塩田泰造氏、立石勝氏)による二次審査を経て、最優秀作品賞(グランプリ)、文部科学大臣賞、経済産業大臣賞、優秀作品賞(準グランプリ)3作品、各部門優秀賞などが決定した(別表)。
表彰式の翌日から2日間、受賞作品上映会が「International Corporate Film Showing 2019」とともに東京都渋谷区のユーロライブで開催された。
● ミャンマーでイベント開催 日本の新作ドラマをPR/国際ドラマフェスティバル委員会
国際ドラマフェスティバル in TOKYO実行委員会(大久保好男委員長=民放連会長・日本テレビ放送網会長)では、日本のドラマなど放送コンテンツのプロモーションのためのイベント「Jシリーズ・フェスティバル in ミャンマー」を、2020年1月11日にミャンマー・ヤンゴンで開く。
「Jシリーズ・フェスティバル」は、日本の放送コンテンツを海外の一般視聴者へ発信していくための新たなプロモーション展開として、2013年にスタートした。日本が国家戦略として進めている「放送コンテンツの海外展開の推進」の一端を担う事業であり、クール・ジャパン・イベントとしての意味も持つ。これまで、タイで5回、インドネシアで2回、ベトナム、台湾でそれぞれ1回開催している。
今回は、5カ国(地域)目として初めてのミャンマー開催となる。ミャンマーは親日国であり、日本の産業は数多く流通しているが、放送コンテンツに関しては、流通量が限られており、最近は他のアジア諸国と同様、韓国などのコンテンツに押されていることから、Jシリーズ・フェスティバルの開催で、日本のコンテンツのブームアップのきっかけを作ることを期待しているという。
当日は、日本の新作ドラマ・ダイジェスト上映、日本のドラマ出演者などによるトークショー、ミュージック・ライブ、来場者参加企画を予定している。日本からは、俳優の羽田美智子、森崎ウィン、ミュージシャンの平原綾香、miletが参加する予定。
● ミュージカルの短編企画を募集/SSFF&ASIA、アミューズ
米国アカデミー賞公認、アジア最大級の国際短編映画祭ショートショートフィルムフェスティバル&アジア(SSFF&ASIA)は、国内外へ日本のエンターテインメントコンテンツを発信しているアミューズとともに、多様な企画と新たな才能の発掘支援を目的として、ショートフィルムの作品企画を募集している。
テーマは「ミュージカル」で、音楽や歌、複数曲で構成された25分以内の実写ショートフィルムの企画に限る(全編音楽で構成されていなくても可)。制作会社だけでなく、アイデアを持つアーチストや脚本家など幅広い層から募集し、2020年6月に実施する「SSFF&ASIA2020」の『アミューズミュージカルアワード』で最優秀企画を発表。賞金(30万円)および作品化のチャンスが贈られる。
募集期間は、20年2月29日まで(登録料無料)。同年4月にファイナリストを発表する(賞の名称および賞金は変更の可能性がある)。
【応募フォーム・詳細】
https://www.shortshorts.org/ja/creators/musical.php
● 高校生の自主制作映画全国コンクールを開催 原発問題作品が大賞/NPO法人映画甲子園
NPO法人映画甲子園(白川洋次郎理事長)は7日、「高校生のためのeiga worldcup2019(エイガワールドカップ2019)」の最終審査結果を発表した。「エイガワールドカップ」は、高校生の自主制作映画の全国大会。全国の高校が参加して映画作品のテーマや撮影技術、編集能力、演出力、シナリオ、美術制作そして出演者の演技力を映画界、放送界の第一線で活躍するディレクター、シナリオライター、クリエイターらが審査するコンテストになっている。
今年のグランプリは、原発問題に正面から向き合って徹底取材したドキュメンタリー作品『日本一大きいやかんの話』が獲得。監督の矢座孟之進さん(東京学芸大学附属国際中等教育学校=6年制)は、地域部門でも『ぼくに故郷はない』で最優秀作品賞を獲得しており、ダブル受賞の栄誉を得た。
映画『新聞記者』の藤井道人監督が審査した最優秀監督賞には、秋葉蓮さん(昭和第一学園高等学校)の『残されたもの、残せるもの、』が選ばれた。非常に完成度の高い映画で、藤井監督からは「10年後にはライバルになるかも」と高い評価を受けていた。
また、最優秀女性演技賞は、藤岡愛里さん(玉川学園高等部『夢唄』)が受賞。藤岡さんは、俳優・藤岡弘、の娘であることが受賞後判明して話題になった。
なお、自由部門、地域部門それぞれの最優秀作品賞と「BS10スターチャンネル賞」受賞作品の合計3作品は、1月19日にBS10スターチャンネルの無料放送『映画をもっと。』で放送される。
【受賞結果の詳細】https://www.eigakoushien.com