● NABショー4月開催を断念 代替案を早急に検討へ 「参加予定者に最良な対応を」
NAB(エヌエービー=全米放送事業者協会)は、米国・ラスベガスで4月に予定していた世界最大級の総合メディアイベント「NAB(エヌエービー)ショー2020」の開催を断念すると発表した。ゴードン・スミスNAB会長兼CEOの署名入り書状を公開し、苦渋の決断を伝えた。
1923年から100年近く開催しているNABショーが過去に開催を中止したのは1945年のみ。前代未聞の展開となった。
NABは、あえて「中止」や「延期」とは言及しておらず、まずは4月の開催を取りやめるとしている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がアジアで広がり始めた2月の時点では、予定どおり4月に開催することを出展社や関係者に知らせていたが、その後AJA、Avid、Ross Videoなど大手が出展中止を決定。ほかの出展社の意見も聞き、米国内での感染者の急増したことを考慮し、開催見合わせが視野に入ってきたようだ。
3月11日(米国時間)にはWHO(世界保健機関)がパンデミック(世界的流行)宣言を発表、また米トランプ大統領が3月13日から30日間、英国以外の欧州各国から米国への入国を禁止する旨を発表し、この決断は回避できない状況となった。
米国ではCOVID-19の状況が日々変わっており、NABも毎日の状況を慎重にとらえ、今後の動きを早急に決めるという。
出展社や登録済みの参加者が既に支払った代金について、NABショーのウェブサイトでは「今後NABショーを継続するために、またメディア産業とNABショー参加者にとってベストな対応をする」とし、NABのマーケティング担当者は「具体的な対応を早急に決断するのでもう少し待っていてほしい」と述べている。
「中止」や「延期」と言及していないのは、後日に改めてNABショーを開催するのか、10月にニューヨークで開催予定の「NABショー・ニューヨーク」への出展・参加を促すのか、または2021年のNABショーまで持ち越すのかが未定だからだ。
米国から最初に入国を制限された中国の出展社の中には、既にNABショー・ニューヨークへの参加を決めたところもある。また、オンラインで開催するデジタルカンファレンスの案も挙がっているという。
● 「アフターNAB東京」の開催中止
NABが「NABショー2020」の4月開催を断念ことから、東京で5月21、22日に開催予定だった「After NAB Show Tokyo」(主催=日本エレクトロニクスショー協会、NAB日本代表事務所)の中止が決まった。
「コンテンツ東京」開催延期 10月28-30日に日程変更
リード エグジビション ジャパンは、4月1-3日に東京ビッグサイトで開催予定の「第10回 コンテンツ東京」について、新型コロナウイルス感染拡大を顧慮して関係者と協議を重ねた結果、開催延期を決定した。日程は10月28-30日、会場はパシフィコ横浜(横浜市西区)に変更する。
「コンテンツ東京」は、クリエイターEXPO、広告デザイン・ブランディングEXPO、先端デジタルテクノロジー展・映像・CG制作展、コンテンツマーケティングEXPO、コンテンツ配信・管理展で構成。出展社は合計700社の予定。
● 移転記念で実施予定の映像イベントを延期/ボートレース振興会
競艇(ボートレース)の発展・普及を目的とした一般財団法人ボートレース振興会は、東京・三田の笹川記念館から、2月に六本木に新設された自社ビル内にある「ボートレース六本木」内に移転して業務を開始した。
このオープニングイベントとして、3月中にプロジェションマッピング(タケナカ、シムディレクトが制作)を含む映像パフォーマンスが予定されていたが、新型コロナウイルス感染拡大の懸念から延期が決まった。実施時期は未定。
「ボートレース六本木」は、競艇の魅力を広く一般に情報発信する場として、商業施設などを併設し開設された。