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2021/09/202021年9月20日

● NAB Show 2021 開催中止が決定 500社は展示に意欲も ウェブで関連コンテンツ提供へ 22年は4月23-27日に開催を予定

全米放送事業者協会(NAB=エヌエービー)は15日、米ラスベガスで10月9-13日に開催予定だった「NABショー」を中止すると発表した。新型コロナウイルス感染症が再拡大する中、ソニーやパナソニック、キヤノン、ブラックマジックデザイン、イマジンといった大手メーカーが出展をキャンセルしたことで、総合的に判断したようだ。大手メーカーが相次ぎ出展を取りやめる中、NABショーの機器展示には、中止発表時点で500社以上が出展者に名を連ねていた。〈続きは本紙で〉


● 日本ケーブルテレビ大賞 番組アワード 広域高速ネット二九六がグランプリ 「終戦2日前の惨事」貴重な証言記録

日本ケーブルテレビ連盟(以下、連盟)は、全国のCATV事業者が独自に制作する「ふるさと発」の優れた番組を顕彰し、地域住民のための映像情報文化のさらなる発展を目指して「日本ケーブルテレビ大賞 番組アワード」を実施しているが、昨年に続き贈賞式をオンラインで9月9日に開催。グランプリ 総務大臣賞は、広域高速ネット二九六の『成東駅列車爆破~終戦2日前の惨事~』が受賞した。
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今年で47回目を迎えた番組アワードは、映像作品として優れた番組を評価する「コンペティション部門」、地域に密着した番組づくりを評価する「コミュニティ部門」、応募者のすそ野拡大や制作者の育成を目的とした「新人賞部門」の3つの部門から成る。
今回の応募作品数は、コンペティション部門65作品、コミュニティ部門81作品、新人賞部門34作品の合計180作品だった。最終ノミネート24作品から各賞を発表した。
「NHK WORLD-JAPAN賞」は、NHK国際放送局が独自に審査し選考。また応募作品の中から優れた4K作品については、「4K特別賞」を贈った(今年は2作品)。
贈賞式はオンライン会議システムを用い、無観客特設会場から最終ノミネートの各局と審査員をつなぎ、各賞を発表した。この模様はYouTubeを活用し、バーチャルスタジオに受賞者が一堂に会する工夫を凝らした演出で、会員事業者はじめ関係者が視聴できるよう配信した。
グランプリ 総務大臣賞は、広域高速ネット二九六(ケーブルネット296/千葉県佐倉市)制作の『成東駅列車爆破~終戦2日前の惨事~』(コンペティション部門)が受賞。終戦から75年(制作時)が経ち、生の証言を得ることが全国的に難しくなっている中、貴重な証言を映像で残すことは地域にとって有益であり、CATVの真摯な取り組みが高く評価された。
準グランプリに選ばれた、東広島ケーブルメディア(KAMONケーブル/広島県東広島市)の『酒都に響き渡る伝統 ~オペラ「白壁の街」第40代の軌跡~』は、地域の伝統を学び、オペラで表現する児童の様子を通じ、視聴者にも学びを伝える番組として評価された。なお、同作品は新人賞部門から初めての準グランプリとなった。
番組アワードのウェブサイト(https://www.catv-jcta.jp/p/award/2021/index2.html)では、9月末を予定に改めて審査員の講評や受賞者のコメントを掲載するとともに、許諾の確認ができた作品は、ストリーミング再生で視聴できるように更新する。
連盟では「今後も番組アワードの開催により、CATVのコンテンツ制作力の向上に寄与するとともに、優れた作品を広く発信するように努めていく」としている。
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★グランプリ 総務大臣賞▽「成東駅列車爆破~終戦2日前の惨事~」(広域高速ネット二九六)
★準グランプリ▽「酒都に響き渡る伝統 ~オペラ『白壁の街』第40代の軌跡~」(東広島ケーブルメディア)
【コンペティション部門】
★優秀賞▽「佐藤浩信の10年 ~福島から伊那市に移住した果樹農家の記録~」(伊那ケーブルテレビジョン)▽「シリーズ吹屋の燈 スーパーマン がっちゃん」(吉備ケーブルテレビ)
★審査員特別賞▽「明日を照らす希望のひかり ~日本の花火 花火師そして大曲の矜持~」(秋田ケーブルテレビ)
★奨励賞▽「丸裸温泉街」(キャッチネットワーク)▽「からくり人形師」(大垣ケーブルテレビ)▽「共にまちを創る ~郷土の礎を築いた近代建築家~ 薬師寺主計」(倉敷ケーブルテレビ)▽「ぼくを生きる~病気になったらやめないかんと?~」(九州テレ・コミュニケーションズ ケーブルステーション福岡)▽「時を越え続く祈り 大分の宝磨崖仏」(大分ケーブルテレコム)
【コミュニティ部門】
★優秀賞▽「地域の今特別編『池上彰と考える 地域のミライ』」(キャッチネットワーク)▽「土の中から宝を探せ!~伊那市地蜂愛好会の1年~」(伊那ケーブルテレビジョン)
★審査員特別賞▽「英語で語る93歳の被爆体験+そこにあった命 (新人賞部門応募作品)」(長崎ケーブルメディア)
★奨励賞▽「友チャリ 佐伯市編」(大分ケーブルテレコム)▽「〈熊本地震復興祈念特別番組〉つなぐ ~いま私たちにできること~」(ジェイコム九州 熊本局)▽「松本良順 ~医学を追求し続けた男が 導き出した公衆衛生~」(広域高速ネット二九六)▽「埼玉のまつり!熊谷うちわ祭 歴代映像蔵出しスペシャル」(ジェイコム埼玉・東日本熊谷・深谷局)▽「長岡花火応援特別番組 花火解説編~これぞ、長岡花火だ!~」(エヌ・シィ・ティ)
【新人賞部門】
★優秀賞▽「明るい未来へカムカムエヴリバディ~高梁市津川町の偉人・平川唯一~」(吉備ケーブルテレビ)▽「東日本大震災10年 あの日から学ぶこと わたしたちの明日へ」(キャッチネットワーク)
★奨励賞▽「戦争体験者への手紙~現代の若者から当時の若者へ~」(広域高速ネット二九六)▽「SKE48のタクシーグルメ」(大垣ケーブルテレビ)
【4K特別賞】▽「地域を元気に『北信濃の祭り』」(Goolight)▽「大原美術館創立90周年記念特別番組 大原美術館史 ~受け継がれる大原DNA~」(倉敷ケーブルテレビ)
【NHK WORLD-JAPAN賞】▽「ぼくを生きる~病気になったらやめないかんと?~」(九州テレ・コミュニケーションズ ケーブルステーション福岡)


● 映文連アワード2021 「幕内劇場」がグランプリ受賞 コロナ禍での歌舞伎の舞台裏

映像文化製作者連盟(映文連)が主催する産業・文化短編映像祭「映文連アワード2021」の受賞作品が決定した。
「映文連アワード」は、プロフェッショナルの仕事にふさわしい作品を積極的に発掘・顕彰することによって、短編映像業界の活性化を図るとともに、次世代を担う新しい才能(学生・個人)を発掘し、映像業界のインキュベータとしての機能を担うことを目的として、2007年に創設された。
今年15回目を迎えた映文連アワード2021のコンセプトは『reborn(新生)』で、キャッチコピーは『時代ヲ突破スル映像、求ム。』。コロナ感染拡大によって、映像製作の環境が大きく変貌している中、「映像表現も、映像メディアも、新たな映像コミュニケーションを発掘しなくてはならない。そうした視点から、映像製作者たちを応援したいという思いで展開した」という。
今年度は、「コーポレート・コミュニケーション部門」「ソーシャル・コミュニケーション部門」「パーソナル・コミュニケーション部門」の3部門合わせて、146作品の応募があった。経験豊かなプロデューサーおよびディレクターによる一次審査、さらに映画監督や広告関係者、映画評論家などによる二次審査を経て、最優秀作品賞(グランプリ)1作品、文部科学大臣賞・経済産業大臣賞各1作品、優秀作品賞(準グランプリ)3作品、部門優秀賞各5作品(パーソナル部門は4作品)、優秀企画賞11作品が決定した。
最優秀作品賞(グランプリ)を受賞した『幕内劇場』(製作:HIROBA、クライアント:3Top)は、コロナ禍において、成田屋・市川海老蔵が熊本・八千代座で開いた全国巡業公演『古典への誘い』の舞台裏に迫ったドキュメンタリー。2020年9月11日の公演初日に向けて、けいこ風景やかつらの制作、歌舞伎独特の化粧など、普段は見ることができない舞台裏をありのままにとらえている。誰もが経験したことのない状況に直面した時、どうすれば観客と向き合えるか。「動かないと人間はだめ」という海老蔵の言葉に象徴されるように、まず一歩を踏み出してみることの大切さを、さり気なく伝えている。
「映文連アワード2021」の表彰式は、11月29日に東京・六本木の国立新美術館講堂で開催し、受賞者に賞状とトロフィーが贈られる(ウェブでの生配信を予定)。
受賞作品上映会は、11月30日、12月1日の両日、「International Corporate Film Showing2 0 21(世界の優秀企業映像を見る会)」とともに、ユーロライブ(東京都渋谷区)で実施する。
映文連アワードは、「映文連国際短編映像祭」の一環として開催し、海外映像祭との連携を深めながら、ショートフィルムの可能性をより多くの人々に知ってもらえるよう、東京に加え、大阪、札幌などでも上映会の展開を予定している。
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◆「映文連アワード2021」受賞作品(作品名、製作社〈者〉、クライアントの順)
《グランプリ表彰》
★優秀作品賞(グランプリ)▽幕内劇場(HIROBA/3Top)
★経済産業大臣賞▽空師 SORA-SHI(新春/マルイチ)
★文部科学大臣賞▽ぼく だれだとおもう?(トライビート/真誠、代理店=東急エージェンシー)
★優秀作品賞(準グランプリ)▽ムカチノカチカ (KEY pro/freee)▽YOASOBI「群青」Official Music Video(太陽企画/ソニー・ミュージックエンタテインメント)▽骨み(Au Praxiniscope、矢野ほなみ/自主製作)
★審査員特別賞▽BS12スペシャル「村本大輔はなぜテレビから消えたのか?」
《部門表彰》
★部門優秀賞
[コーポレート・コミュニケーション部門] ▽S/PARK SPEAK SCIENCE(TYO/資生堂)▽ 西武そごう「わたしは、私。レシートは、希望のリストになった。」(太陽企画/そごう・西武、代理店=フロンテッジ)▽奥会津に生きる -自然と暮らしの暦- (IMAGICA Lab、コスモ・スペース/東北電力、代理店=第一広告社、ムラヤマ)▽ねぶたのない夏 Sound of apples lost in summer 2020 (青森テレビ/青森ねぶた祭)▽フワっ、コンっ、スーっ? パナソニックのグラファイト Curo (キューロ)(パナソニック映像/パナソニック、代理店=クリエイターズグループMAC)
[パーソナル・コミュニケーション部門] ▽超劣化廃屋の解体撤去に挑む 環境省国立公園満喫プロジェクトによる川湯集団施設地区廃屋解体工事の記録(北海道映像記録/環境省釧路自然環境事務所)▽no art, no life令和三年 表現者たちの幻想曲(プラネタフィルム、NHKエデュケーショナル、NHK)▽岐阜関ケ原古戦場記念館 展示映像(ロボット、モンブランピクチャーズ、アンドフィクション/岐阜県、代理店=丹青社)▽カールさんとティーナさんの古民家村だより(NHK、NHKエンタープライズ、エネット)▽天空を駆ける民 ララムリ(テレコムスタッフ、NHKエンタープライズ、NHK)
[パーソナル・コミュニケーション部門] ▽WAO(安村栄美)▽沼山からの贈りもの(栗原栄見〈国際教養大学〉、松本トラヴィス隆慈)▽秘話~「知覧」にある米兵慰霊碑~(佐藤仁紀)▽Lettersどこかで息絶えたかもしれないいつかの私へ(藤井三千)
【詳細】https://www.eibunren.or.jp/top/eibunren-award2021_4.html


● 「VC+VCC2021」開催 次世代CG技術を発表 9月28日からオンラインで

画像電子学会 ビジュアル・コンピューティング研究会、情報処理学会 コンピュータグラフィックスとビジュアル情報学研究会、映像情報メディア学会 映像表現&コンピュータグラフィックス研究会は、「VC+VCC2021(Visual Computing + VC Communications 2021)」を9月28日-10月1日にオンラインで開催する(特別後援:CG-ARTS〈画像情報教育振興協会〉)。
「VC+VCC2021」は、CGの次世代技術を発表する場であると同時に、産学の垣根を越えて技術者、研究者、クリエイターが交流するカンファレンス。
29回目を迎える今回から、産学の交流の機会をより一層創出することを目的に、VCを後援するイベントとしてVCCを併催する。世界的にもハイレベルなCG技術の研究開発から現場への技術還元まで、幅広く議論する場であるVCをVCCがサポートし、より活発な交流の場となる。
また今回新しい試みとして、研究発表だけでなく、ハイレベルなCG技術の基礎知識や研究動向を俯瞰(ふかん)的に学べる機会を提供することを目的に、最前線の研究者を講師に招きチュートリアルを企画している。
プログラムは、招待講演、一般発表、国際論文誌・国際学会採択論文招待セッション、SIGGRAPH招待講演セッション、ポスター発表&企業セッション、スポンサー講演などで構成する。特別講演では、CG制作会社のデジタル・フロンティアが映画『竜とそばかすの姫』におけるCG制作について解説する。
同イベントは、CGに関連する技術の国内最高レベルの発表および情報交換の場として1993年から開催。2018年から「Visual Computing(VC)」と改称し運営体制を刷新。研究成果の発表のみにとどまらず、産業界と学術界の橋渡し、およびクリエイターと技術者・研究者の交流の場として拡大した。18年から開始したスポンサーイベントは、今年から「VCC」として一新し、企業と学生・研究者とのつながりを 広められる環境が提供される。
【参加費】(VC/VCC+チュートリアル)一般会員1万5000円、一般非会員2万5000円、学生(聴講者のみ)無料(そのほかVC/VCC、チュートリアルの個別参加費用などはウェブ参照)
【参加登録期限】9月24日まで(有料参加者)
【申し込み・詳細】https://cgvi.jp/vc2021


● 番組を視聴する会「見て楽しい! 知っておいしい!? 料理番組の30年」/放送ライブラリー

『科理番組』は、1925年のラジオ放送開始とともに始まり、時代に合わせて変化を続けている。今回は、過去30年にわたる料理番組の変遷をたどり、料理・食という普遍的なテーマを、作り手がどのように工夫し、視聴者に伝えてきたのかが感じられる番組20本を取り上げる。放送当時のテキストなど、上映する番組の関連書籍も展示する。入場無料(入退場自由、申し込み不要)。
【日時】開催中-10月3日/10時30分-16時35分(9月21、27日休館)
【会場】放送ライブラリー 情報サロン(横浜市中区日本大通11 横浜情報文化センター内)
【詳細】https://www.bpcj.or.jp


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